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2019/12/28 13:25
『セミーゴ』
作 スリーピース
絵 あいりすのniji屋さん nijiya_iris
きょうからなつやすみです。
「おとうさん、セミとりにいきた〜い。」
「いいぞ、タケル」
おとうさんとタケルくんはこうえんにいきました。
「やったぁーとれたぁー！！このセミってなまえあるの？」
「これは、アブラゼミだよ。」おとうさんがおしえてくれました。
すると、タケルくんはこう いいます。
「ええぇっ〜へんななまえ。そうだ！
ぼくがかっこいいなまえつけてあげる。」
「う〜ん...
どんな なまえがいいかな。」
「よし！！きめた！！
きょうから きみはセミーゴだ！！
かっこいい なまえだろ、
エッヘン！！」
タケルくんは、おうちにセミーゴを
つれてかえることにしました。
「ただいま〜。ぼくのおともだちのセミーゴだよ。」
タケルくんは、さっそく おかあさんに
セミーゴをしょうかいしました。
「よかったわね、タケル。
おともだち たいせつにしようね。」
おかあさんは、やさしく いいました。
それからタケルくんは
まいにち まいにち
セミーゴに はなしかけました。
おはよう。
いってきます。ただいま。
おやすみなさい。
まいにち まいにち
たいせつに そだてました。
そんなあるひ、セミーゴがタケルくんに はなしかけました。
「まいにち たいせつにしてくれてありがとう。」
「えっ！セミーゴはなせるの？すごーい！」
タケルくんは とてもおどろきました。
「なにをいってるんだ ぼくたち ともだちだろ？
タケルくん、ぼくといっしょに そらのたびに でかけようよ。」
タケルくんは とてもうれしいきもちになりました。
セミーゴとタケルくんは そらのたびに でかけます。
「わ〜 セミーゴ すごいね〜
おかあさんが みえるよ〜！」
「タケルくん しっかりつかまっててね。」
セミーゴとタケルくんは
そらを じゆうに とびます。
おとうさんが がんばって
おしごとを しているところも みれました。
たのしい じかんは あっというまです。
かえりみち タケルくんは いいました。
「セミーゴ たのしかったよ！
またこんど セミーゴのせなかに のせてね。」
すると、セミーゴは あかるく いいました。
「タケルくんごめんね。ぼく もうすぐ しんじゃうんだ！」
「いやだ！そんなのいやだ！」
タケルくんのめから
ポロポロと なみだがでてきます。
するとセミーゴがいいます。
「きみは、ぼくをたいせいつにしてくれた。
だから そのおれいがしたかったんだ。
いっしょうけんめい いきるってかっこいいだろ？」
「ぼくのなまえは セミーゴだぜ！
なまえだけじゃないよ
ぼくは かっこいいんだ！エッヘン！！
タケルくん、やくそくしてほしいんだ。
いっしょうけんめい いきるって。
さぁ、なくのは おしまいだよ。」
「だれかのために
じぶんのたいせつな じかんをつかえて
すごく しあわせだったよ。
ありがとう タケルくん。」
「また いつか あおうね。
ぼくたちはずっと ともだちだよ。」
セミーゴのことばは ふしぎと
かなしい わかれでは
ないようなきがしました。
「セミーゴ、ぼく やくそくするよ。
いっしょうけんめい いきるんだ！！
セミーゴとあえてうれしかったよ。」
「ありがとう。」
スリーピース
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